「消えるアート」プロジェクトvol.1


クライアント グリッジ株式会社

場所 船場マンション

時期 2019年8月


「破壊と創造」をテーマに、総勢11名のクリエイターたちが昭和・平成で解決できなかった社会的な問題や伝えたいメッセージを表現してマンション解体と共にその価値観なども壊し、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標の「SDGs」を国境を超えるアートの力で取り組むという企画に参加。


自分が選んだテーマは人種問題。

ちょうど当時BLM運動も始まり、改めて人種間の隔たりを感じさせられた瞬間だった。

自分自身、ニューヨークに5年ほど住んでいたこともあり、そのときにアジア人を蔑視する人たちから心無い言葉や態度を取られたことが少なからずあった。


のちにコロナウイルスの蔓延によってアジア人へのヘイトは高まり、"STOP ASIA HATE"運動も始まることになるのですが、それまではアジア人はそもそも話題にすらされないマイノリティー中のマイノリティーという立ち位置だったように思う。


自分の中で強く残っているのは、ニュー ヨーク市警が2013年2月に当時24歳の日本人留学生小山田亮さんをクイーンズブリッジでひき逃げして死亡させた事件。

目撃者多数で、動画記録もあったにも関わらず、証拠は隠蔽され、メディアにも大きく取り上げられることはなかった。これが白人警察で轢かれたのが黒人だったらきっと違った状況になっただろう。


壁画について

背景にある無数の色は人の多様性を表している。敢えて人間の肌にはないような色を主に使い、最後に「黄色」である自分自身をぶちまけた。


天使に白、悪魔に黒というイメージもまた、差別だという声もきくが、敢えてそのアウトラインはその色にして、透過された下の色が彼らの中身に映るようにした。


白か黒で語られる世の中。でも、よく見て欲しい。世界はいろんな色で彩られていることを。そんなやりきれない怒りとも、悲しみとも言えない想いがこの壁画には込められている。