
クライアント Gravy Company
協賛 日本ペイント株式会社
場所 Ocean's Camp TORAMII
時期 2021年1月
ある日、突然電話がなった。「しんちゃん元気?俺のこと覚えてるかな」と声を聞くと、自分が画業を始める前に赤レンガ倉庫の近くで偶然であった小竹さんからだった。
当時、彼はデニムを加工したLetters というブランドの店をイベントでたまたま出店していて、そこで知り合った。
「紆余曲折あって、いまキャンプ場でも働いてるんだよ!そこで、入り口にあるコンテナに絵を描いてもらおうという話になって、ふと思い出したんだよね」
直接お会いしたのは数年前に一度きりだったのに、それでも覚えていてくれたことが嬉しかった。
二つ返事でやります!と言ったものの、屋外で、凹凸のある12mのコンテナに描いた経験はなかったし、ペイントもどのようなものが最適かわからなかったので、色々な人たちに相談した。
ペイントについてはありがたいことに日本ペイントさんのご厚意で、下地材、ペンキ、仕上げ材まで提供いただけた。
また、描き方についてはHitchさんという壁画のスペシャリストに相談した。
そこで、凹凸があるから筆よりもローラーの先端を使った方が均一な線が描きやすいとか、下書きの書き方(Doodle Grid)など色々な方法を教授いただいた。
色々考えた結果、日の出前に現場入りしてプロジェクターでアウトラインをいれ、その後中を塗っていくことにした。
前日の夜はドキドキして寝られず、朝2時に出発、5時ごろから描き始めた。


なんとか日の出前までに下書きが終わりひと安心。
・・・と思っていたが、なんと朝露でどんどん線が溶けていくではないか!!
慌てて色を入れ始めるが、細かいところがどんどん消えていって呆然とした。

今回、2日間(予備日1日)で描かないといけないというのに、この痛手は深い。
とにかく、分かるところからガンガン色を入れていき、後は手元のラフを見ながら溶けた線と重ね合わせて塗っていくしかない。
また、下書きの線を黒にしたことも災いして、色を塗っても黒が透けて見えたりして、何度も何度も重ね塗りをしなければならず、時間がとられた。ご飯も食べずに一日中描いたけれど、前日徹夜して、3時間運転してからの作業だったので身体への負担がえげつなかった。
更には二日目には雨に振られほぼ作業はできず、止んだ夜に少し作業を進める程度に終わってしまった。残り1日、いけるのか?いや、やるしかない!せっかくいただいたチャンス、絶対に満足してもらえる絵を描くのだ。

そして翌日、早朝から夕方まで作業を続けて、、、、



完成!!!!
ちなみに、描く前はこうでした。


身体はクタクタだったけど、小竹さんも「めっちゃいいのできたね!」といってくださり、胸いっぱいになった。