Southbank Skate Space
- Shinjiro Tanaka

- 4月3日
- 読了時間: 2分

Southbank Skate Space
ロンドン(イギリス)
本作は、ロンドンでのアートコンペティションをきっかけとした滞在中に制作された。
Southbankを訪れる前、Tate Modernを訪れ、以前から実物で見たいと思っていた作品と対面した。中でもピカソの「泣く女」は、画像とは異なる物質的な存在感を持ち、筆致や色彩、感情の強度が強く印象に残った。
その余韻の中でテムズ川沿いを歩き、Southbank Skate Spaceに辿り着く。そこは美術館とは対照的に、開かれ、行為と存在によって常に更新され続ける空間であった。
長年にわたるスケートカルチャーとグラフィティによって形成されたこの場所は、使われることで意味が生成され続ける「生きた場」である。
その場にある既存の表現や流れを観察しながら、人々がすでに制作を行っているエリアの中で、自然な形で制作を開始した。本作は環境への応答として立ち上がった。
美術館で見た「泣く女」との対比として、本作では「笑う男」を描いた。
「泣く女」は戦争という文脈から生まれた作品でありながら、最終的には普遍的な人間の悲しみを表している。
それに対して「笑う男」は、それと対立する存在ではなく、その延長線上にあるものとして捉えている。
ここでの笑いは、苦しみの不在ではなく、それと共に存在する人間の反応であり、非常に脆く、それでいて確かに存在し続けるものだ。
不安定で先の見えない状況の中でも、人は耐え、変化し、わずかな軽やかさを見出すことができる。
本作は悲しみを否定するものではなく、それと笑いが切り離せないものとして共存していることを示している。
また、「memento mori(死を想え)」という言葉を添え、歴史を忘れず、今を生きることへの意識を重ねた。
この文脈において、スケートスペースはもう一つの美術館として立ち上がる。保存される場所ではなく、行為によって更新され続ける場所。
制度とストリート、記憶と現在、悲しみと笑い。
本作は、それらのあいだに生まれる関係性の中に位置している。











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